三代 加藤春鼎の食と器のコラボレート

食と器のコラボレート < 加藤春鼎 < j-heart.com

食と器のコラボレート

器は、料理が盛られて初めて完成する。花が入って一つの形になる。

私のなかで器を食器・花器として捕らえる意識がますます強まっています。
創作は、単なる作品づくりではなく、その完成までを感じることができるような活動を行っています。

2002 フランス・パリ ホテルリッツ

展覧会及び、食と器のコラボレート

パリ・ホテルリッツ もともとは、お食事会の器の制作が第一義でした。
ホテルリッツで日本フェアのようなものがあり、そこで、日本人のフランス料理シェフが食事会を開催することになったのです。できるだけ日本を意識し、器も日本の物にしたいということで、シェフと親しかったこともあって器の制作を依頼されたという経緯です。
話を進める中で「せっかくだから展示もしないか」と声をお掛けいただき、ホテルリッツ内のギャラリーと、特別宿泊客と特別会員だけが入れるレストランに作品を展示させていただきました。
食事会を含め期間は1週間程だったのですが、フランスの料理人やお客様が織部の皿に興味をしめされたのが印象的でした。

成川亭でのフランス料理とのコラボレート

食と器の相乗効果

ホテルリッツでの経験を踏まえ、パリで好評いただいたことを日本の皆様にも見ていただこう。ということで企画し開催しました。
成川亭というフランス料理のお店をお借りし、そちらのシェフの料理を私の器に盛ってお食事していただきました。
器はホテルリッツで使用したものと同じですが、料理はそれぞれの持ち味がありますから、また違った印象でした。
この時、やはり食と器はとても深い関係にあることが改めて感じられました。料理によって器が引き立ち、器によって料理が活きるといった相乗効果が生まれるのです。やはり食器は、料理を盛った時に完成の形と言えるのだと実感しました。

器の楽しみ方

食器は展覧会で見るだけではなく、実際に使っていただきたい

器は、使うことで色が深くなり、雰囲気も変わってきます。
日本の器は、湯呑みにしてもご飯茶碗にしても、手に触れることが多く、口につけることも多いです。私たちは作っている時に、見た目はもちろん、質感も考えています。使うことで、その感触を楽しんでいただきたいと思っています。